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2007年1月2日に設立しました。 良かったら見てってくださいw
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学校が昼まででしたw
いっつも日記書くの遅いので今日は早めに書きますw

そういえば昨日ヤーヤ祭りって言う男の人がすっぽんぽんになって海に飛び込んでいく元の祭りが終わったんですが、その祭りのせいで風邪引きさん増えましたw

なんでこんな祭りするんでしょうねww

 

あっそれと友達が持ちかえってもいいって言ったのでその友達が書いた小説置かせてもらいますw

この小説は僕がキリバンとってリクしたタクト×シヴァの恋愛短編です。

暇ならどうぞ読んでってくださいw

 


テーブルの上に転がしたリングを手で弄ぶ。

 これといった飾りの無いシンプルなものだ。けれども、これに込められた想いは何よりも強い。

 思い浮かべるのは、これをくれた青年のこと。

 初めて会ったのは何年も前…まだ自分が子どもと呼べる歳だったころのことだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 第一印象は、頼りない。その一言だった。

 

 

 けど、自分に対して、己を偽ることなく率直に接してくれた最初の男性だった。

 

 

 下心を隠しきれない下郎どもと比べようの無い、好感の持てる存在だった。

 

 

 普段の気の抜けた表情が、好きだった。

 

 

 指揮を取る姿がとても頼もしくて、好きだった。

 

 

 チェスのやり方を教えてくれた時の、楽しそうな表情が好きだった。

 

 

 そんなマイヤーズが…タクトのことが、大好きだった。

 

 

 

 

「タクトが辺境から戻ってくるのは、もうすぐだな」

 カレンダーを見るシヴァの表情は、とても生き生きとしていて、嬉しそうだった。

 常日頃のビシッと引き締めた表情ではない。年相応の、誰でも浮かべているような表情。

 それを見ていたシャトヤーンはつい笑みを零す。

 それと同時に、やや複雑な感情もあるのだが…今は、その感情には引っ込んでおいてもらおう。

「嬉しそうね、シヴァ」

「半年間全く会えなかったわけですから…。今から楽しみです」

「この半年で、あなたもすっかりと大きくなったから…。きっと、マイヤーズ司令も驚くでしょうね」

 エオニアがクーデターを起こすまで…、こうして親子として話すことなど出来なかったから。

 それを考えると、エオニアには少しだけ感謝すべきなのだろうか。

 シヴァに、よき理解者が出来たことを。

 皇位を退くことで、重い責任はもはやその肩には無い。

 一人の人間として自らの意思で道を選んだ愛娘を、シャトヤーンは慈愛に満ちた笑顔で見ていた。

「余程のことが無ければ、予定より大きくずれることもあるまい。それなら…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 まさか皇族の人間と間近で会話することになるなど、夢にも思わなかった。

 まして、その人と親しくなるなど予想外もいいところだったろう。

 だからといって、それを後悔しているわけではない。

 思い出すのは何年も前のこと。まだ、出会ってあまり経っていなかったころ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 第一印象は、気丈な人だ。そう記憶している。

 

 

 突然振ってかかった災難に対して、怯えることもなく向き合おうとしていたから。

 

 

 その毅然とした態度は、とても頼もしく見えた。

 

 

 けど、チェスを教えた時に見せてくれた歳相応の表情が、好きだった。

 

 

 皇族という見えない鎖に縛られることへの恨めしさが、痛いほどに分かった。

 

 

 ただ…好きだと言われた時は、悪いけれども困惑してしまったことは、否めない。

 

 

 

 

「あ~…やっと終わりか~」

 ググーッと大きく背を伸ばすと、ボキボキと関節が鳴った。

 緊張感の無い、退屈ではあるが自ら志願した辺境調査も、もう終わりだ。

「結局、これといって何も無かったからな。黒き月に関するロストテクノロジーも、エオニア軍の残党も」

 いつもと同じように腕組みをしたままレスターが、誰に言うわけでもなく言った。

「ロストテクノロジーは最初から期待してなかったけど…残党も居ないってのは楽だったね」

 レスターと同じくいつも通りの、へらへらした表情でタクトが答える。

 残党狩りをせねばならないのは多少覚悟していたのだが、まさか何一つとして騒動と呼べることが起きないとは流石に予想外だった。

 それはそれで不安を感じたりもするのだろうが、この能天気な青年にはそういった神経は存在していない。

「とりあえず…本星に戻ったらどうする?」

「そうだなぁ…」

 何も無かったとはいえ、半年もずっと同じ任務に従事していたのだ。

 休暇を取って骨休めしたところで文句は言われまい。

 何をしようか…、誰に会おうか…。考えている最中に、ふと浮かんだ一人の人物。

「…とりあえず、人に会ってくるよ。半年前は結局見送りもしてもらえなかったし」

「…誰のことだ?」

 疑問符を浮かべるレスターに対し、タクトは何も言わなかった。

 

 

 

 

 半年の間に、何を見て、聞いたのか、それを教えて欲しかった。

 自分が行ったことの無い場所で、何をしてきたのか…。些細なことでも、知りたかった。

 どんな話であれ、楽しそうに話してくれるのはとても嬉しいから。

 

 

 所詮は半年だろう、と言われそうな気もするがそれは大人から見て、だろう。

 子どもであれば、半年もあれば背が伸びるなどの変化があるはず。

 まして、今まで背負わされていたものを放り出して、自由を手に入れた彼女は半年前に比べ、変わっているだろう。

 

 

 

 

 その時は…お互いに、互いに会うのが、とても楽しみだった。

 今でも、その時のことを…覚えている。

 

 

 

 

 トランスバール本星に戻ってきて早々に、タクトは『白き月』へと向かった。

 皇都は半年前に比べ、復興が進んだように見える。

 必死に頑張っているだろうかつての恩師の顔を思い浮かべ、少しだけ笑った。

 それに比べて、『白き月』は全くと言っていいほど変わっていない。

 当たり前のことだ。半年前の戦いでも、ここは戦火に晒されていなかったのだから。

 そして…シャトルを降りて、地表に降り立った彼を出迎えたのは、懐かしい人物だった。

「久しいな、タクト。壮健そうで何よりだ」

「お久しぶりです、シヴァ様。変わりが無いようで、安心しましたよ」

「…タクト、ちゃんと私を見たうえでそう言うのか?」

 少しだけいじけた表情になって、シヴァが言う。

 まあ、この辺りはタクトも多少、わざと言った感はあるのだが。

「すみません。半年前に比べて、背が伸びましたね」

 半年前に比べて、目線がだいぶ高くなっている。

 とはいえ…当たり前だが、タクトと視線を合わせるには顔を上げねばならないが。

 何となく、沸き起こったイタズラ心みたいなものだったのかもしれない。

 シヴァの髪を、軽く撫でた。無論、人目が無いということを確認したうえで、だ。

「こ、こら! 私を子ども扱いするな!!」

 顔を赤くしながら怒るシヴァに、少しだけ笑みを漏らす。

 たぶん…この頃はまだ自分としても、周りから見ても、兄妹のように見えていたと思う。

 手を繋ぐことさえ、恥ずかしさを覚えたわけではない。

 半年分の土産話を聞きながら、周りからはどう見えるのか、そんなことをシヴァは考えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 それからも…暇を作っては、口実を作って会いに行った。

 

 

 会うたびに、シヴァ様は変わっていた。

 

 

 その度に…成長…していたんだと、思う。

 

 

 まあ…何時の頃かなんてわからないし、時々訳も分からずに怒られたりとかだってした。

 

 

 だけど…。

 

 

 何時の頃かは、オレだけでなく…たぶん、周りの誰もがだろうけど、覚えていないと思う。

 

 

 オレはシヴァ様のことが、好きになっていたんだと。

 

 

 

 

 

 

 ふと気になって、壁に掛けられた時計を見上げた。

 時計の針はいつの間にか約束の時刻を指している。

 物思いに耽っていたせいか、時間の経過がとても早く感じた。

 さて…迎えに行こう。待たせるわけには…いかない。

 

 

 

 

 

 

 おそらく当時のことを知るものからは、まだ兄妹のように思われていたと思う。

 

 

 シャトヤーン様…母上も当時を振り返ると、必ずこう言った。

 

 

「とても仲の良い兄妹のようだった」と。

 

 

 たぶん…分かっていてそう言ったんだと思う。

 

 

 それが何だか悔しくて、だからといって母上に直接言い返すが嫌で…。

 

 

 その度にタクトに八つ当たりしていたばかりだった。

 

 

 今思うと…嫌われなかったのは、ある意味では奇跡だった、そう思える。

 

 

 あの頃は、本当に子どもだった。…少し反省。

 

 

 

 

 

 

 それにしても遅いな…。と思う。

 約束の時間の五分前には付いておくのが、礼儀だというのに…。

 ふぅ、とため息を吐いた時だった。

「すみません、遅れました」

 慌しげに青年が部屋に入ってきた。それを見て、少しだけ笑って。

「では、行くか」

 

 

 

 

 

 

「…それが、あなたの選んだ道なのね…シヴァ…」

 ここではない何処かを…近くは無いけれど、遠くない場所を見ながらシャトヤーンが呟いた。

 普段と変わらない慈愛に満ちた…しかし、それが向けられているのは、万人にではなく、ただ一人のために。

 そして、その一人に付き従うかのように佇む青年に。

「それほどまでに、肩肘を張る必要は無いわ。おいでなさい、私の元へ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁて…地獄となるか、天国となるか」

 少しだけ緊張した面持ちで、タクトが言う。

 この男も、緊張することがあるのだな…と、やや失礼な感想を抱いた。

 何年かの付き合いになったとはいえ、あまり見ない表情もある。

 その代わりに、気の抜けた表情ならば飽きるほどに見せられたりもしたが。

「なるようになるだろう。いざという時は…」

 そこまで言って、思案する。

 いざという時は…、どうしよう?と。

 眉間に皴を寄せて真剣な表情で悩むシヴァを見て、タクトが僅かに笑みを漏らす。

 ここ数年、自分の前ではあまり見せることのなかった表情だからだ。

「ま、何とかなるでしょう」

 あの頃と変わることの無い気楽な様子で。

 変わってしまったものの多い中で、この青年は何一つとして変わることなく。

「…そうだな」

 その気楽さが、いつの間にか自分に写ったことを少しだけ心地よく思う。

 目的の扉の前に並んで立って、軽くノックをする。

 

 

 

 

 その手の薬指に填められたシンプルな指輪が、光を反射してキラリと輝いた。

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プロフィール
HN:
masaya
年齢:
34
性別:
男性
誕生日:
1989/06/05
職業:
学生
自己紹介:
GAファンですw

頑張って、国立入るぞ!!
私立だと倍の学費がかかるしね・・・
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